Ginger Baker
頭が生姜色していたから、Gingerというニックネームが付いたそうな。Jack Bruceのところでも同じ事を書いたけど…。Creamの一ドラマー?をいをい!?ですよ。でもCreamも勿論書きますよ、ここに。
![]() | Horses and Trees ('86) | Bill LaswellとGinger Bakerの出会いはPILの"Compact Disc"からだろう。このソロでは、Bill Laswell一派総動員である。西アフリカ出身のkora(21弦ハープ)の名手Foday Musa Susoを始め、Shankar(violin)、Bernie Worrell(organ)、Nicky Skopelitis(g)、Daniel Ponce(bells)、Aiyb Dieng(perc.)、ブラジル出身のNana Vasconcelos(perc.)、Robert Musso(organ)に当然Bill Laswell(b)と多彩なバックグランドを持つミュージシャンで固める。オープニングの"Interlock"から緊張感のあるジャズロックを展開する。Ginger Baker一人によって書かれた"Dust to Dust"はその名の通り、どこかウェスタン映画を想起させる埃っぽいナンバー。"Satou"ではNana Vasconcelosの特徴的なberimbauの音が彩りを加える。どのチューンも基本はGinber Bakerのドラミングに多彩な民族楽器が華を添える、という形。但し、単にワールドミュージックの一言で済ませては絶対にいけないサウンドがここにある。そういった民族楽器の音に耳を奪われがちだが、ここでも、やはりNicky Skopelitisのプレイが俄然光っている。常々思うのだが、Bernie Worrellのサウンドは、いつも、そんなにファンキーって程、ファンク色が強い訳ではないサウンドスタイルなので、こういった(結果的に)ノン・エスニックなサウンドにはピッタリな様な気がする。Creamファン、Ginger Bakerファン必聴盤である。ジャケットは再発盤のもの。 |
![]() | Middle Passage('90) | Bill Laswellプロデュース作第2弾。Jah Wobble(b)、Jonas Hellborg(b)、Bill Laswell(b)、Nicky Skopelitis(g)、Faruk Tekbilek(ney、zurna)、Bernie Worrell(organ)、Aiyb Dieng(metals)、Mar Gueye(hand drum)、Magette Fall(talking ds)といったBill Laswell一派がバックアップ。オープニングの"Mektoub"ではGinger Bakerの特徴的なタムの音を前面に出したジャズロックの佳曲。Faruk Tekbilekのnayやzurnaと言った管の音が良いアクセントとなっており、東洋的な音も活躍している。また、メタル・パーカッション等もあちこちにフィーチャーされており、Ginger Bakerのドラムとの相性が良い。Ginger Baker一人で書かれた"Basil"は、まさにドラムマッドネス。随所でNicky Skopelitisのプレイが抜群に光る。全6曲。全く、過去の人扱いなんて絶対に出来ないことを証明した名盤。Jack Bruce共々、このNY人脈にアプローチを仕掛けるところは、やっぱり、この2人の嗅覚の鋭さなんだろう。 |
![]() | Ginger Baker with Jens Johansson and Jonas Hellborg "Unseen Rain" ('92) | Jonas HellborgのレーベルDay Eightから出されたアコースティック・ジャズロック・トリオ。Bill Laswellが紡いだ縁だな。個人的にはJens Johanssonのベストワークの1つ。Jan Johanssonという北欧ジャズの父という冠を持つ親父さんのDNAを音楽を通して表してくれた素晴らしいピアノが聴ける作品。そして、Ginger Bakerのセンスは全く衰えを知らない。縦横無尽に走るJonas Hellborgのベース。全てのピースが完璧に音を構築していく様は正に圧巻。作曲は全てトリオによるもの。ジャムセッションから出来た作品のようにも聞こえるが、この構築性はそれだけでもないような気もする。しかし、本当のところ、そんな事はどうでも良いんだ、本当に。"Mirror of Steel"のブラシ・ワーク…。ソウルを感じられる作品は数有れど、魂を感じられる作品は少ない。私にとってはそういう作品であり、一生つきあっていたいサウンド。傑作以外の何物でもないでしょ。このトリオで欧州ツアーに出ているというのだから、全く!!! |
![]() | Ginger Baker Trio "Going Back Home" ('94) | Bill Frisell(ele. g)とCharlie Haden(acoustic b)を迎えたジャズ作品。トロピカルな雰囲気を持つメロディアスなBill FrisellのギターにバタバタとGinger Bakerのドラムが絡むジャズ・アルバム。Thelonious Monkの"Straight, No Chaser"とOrnette Colemanの"Ramblin'"のカバーを含むジャズマン、Ginger Bakerの真骨頂と言えるかもしれない。Ginger Bakerはこのアルバムで"I Lu Kron"、"Ain Temouchant"、"East Timor"の3曲を書いている。最後の"East Timor"のイントロではGinger Bakerのナレーションから、ノイジーなBill Friesellのギターが鳴るジャズ・ロック的なチューンが収録されている。ここまで純ジャズ・アルバムな仕上がりだったので、この曲で溜飲が下がるロックファンは多いかもしれない。 |
![]() | Ginger Baker Trio "Falling Off the Roof" ('96) | Bill Frisell(g)とCharlie Haden(b)とのトリオ第2弾。前作同様、トロピカルな音を奏でるBill Frisellの音が耳に優しい。今作では、更にBela Fleck(banjo)が"Amarillo Barbados"、"Au Privave"、"Taney County"で参加。Jerry Hahn(g)が"Saunday at the Hillcrest"で参加。特にBela Fleckのカントリー・フレーヴァーを増させるバンジョーの音は、このバンド・サウンドにピタッとはまっている。Charlie Haden作のアコースティック・ギターをフィーチャーした"Our Spanish Love Song"での、繊細なアンサンブルが素晴らしい。Thelonious Monkの"Bemsha Swing"、Charlie Parkerの"Au Privave"を含む。また前作同様"The Day the Sun Come Out"というジャズ・ロック・チューンを収録。一転してハードな作風がアルバム全体に良いアクセントとなっている。 |
Cream / Blind Faith
![]() | Cream "Fresh Cream" ('66) | Graham Bond Organizationでは、ステージで取っ組み合いをも演じた事があるJack BruceとGinger Baker。そのGinger Bakerが当時既にそのポジションを確立していたEric Claptonにバンド結成を持ちかけると、Eric Claptonはそんな二人の仲を知らずにベースはJack Bruceで、と提案する。Ginger BakerはJack Bruceの所へ車で趣き、Eric Claptonが君とだったら、バンドを結成しても良い、と話した、という事からCreamの結成に到ったらしい。この頃のEric Claptonは曲を書く事よりもプレイそのものに重きを置いていたように見える。事実、この1stでも曲は書いておらず、ブルーズカバーが("Spoonful"、"Rollin' and Tumblin'"、"I'm So Glad")3曲。トラッド曲が ("Cat's Squirrel"、"Four Until Late")2曲。その他はJack Bruce&Pete Brownの曲などがメイン。"The Coffee Song"は後にHeads、Hands&FeetのTony ColtonとRay Smithによる曲。"Toad"はGinger Bakerのドラムをメインに据えた曲。主にヴォーカルはJack Bruceが取るが、"Four Until Late"はEric Claptonによるもの。既にこのデビューアルバムでは、ブルーズロックなんていう小さな枠に収まりきらない、卓越したミュージシャンシップを存分に発揮させた3人の姿がある。当時からライブでは、延々とソロを回しながら1曲に何十分もかけていたらしいが、そんなライブで、Creamの地位が今日あるようなポジションに来たとは思えない。それは、正にこういったスタジオ盤の曲の良さに他ならないはず。 |
![]() | Cream "Disraeli Gears" ('67) | ジャケットを見ても判るように時代に即し呼応してサイケデリックな作風となったのか、それとも、このプロデューサーとの出会いが結果として今作のような作風を作り上げたのか。個人的に後者に思える。この2作目ではNYでセッションプレイヤーとして、またアレンジャーとして活躍していたFelix Pappalardiをプロデューサーに起用。Felix Pappalardiは元々大学でクラシックを専攻、学ぶ。その資質をここで開花した感もある。冒頭の前作でも見られた特徴的なハーモニーを配した"Strange Brew"はEric Clapton、Felix Pappalardiとその奥方Gail Collinsによる曲。名曲と誉れ高い"Sunshine of Your Love"の印象的なEric ClaptonのリフにJack Bruceの声のマッチが良い。この曲では、ちょっと照れながらヴォーカルを入れてるように聴こえるEric Claptonの声が、また何とも良い。"World of Pain"は、Felix PappalardiとGail Collinsの曲。また、Felix Pappalardiはクレジットこそないものの、あちこちに色々な音を入れているのみたいだ。続いて、激しい即興やでかい音のライブといった評判の多いCreamの中にあって、静の世界を描ききった"Dance the Night Away"の世界が素晴らしい。Jack Bruceの声が女性的に聴こえる。Ginger Bakerによる"Blue Condition"は牧歌的なナンバー。今作の特徴の一つにEric Claptonの創作意欲がある。前作までストイックなまでのプレイヤーという印象だったのが、今作ではミュージシャンとして作曲に目覚めたようだ。冒頭曲を始め、"Tales of Brave Ulysses"は今作のイラストレーターを務めたMartin Sharpとの共作になっている。"Outside Woman Blues"はBlind Joe Reynoldsのカバーで"Mother's Lament"はトラッド曲。 |
![]() | Cream "Wheels of Fire" ('68) | 前作と打って変わって、サイケデリックなんだけど、カラフルではなく、シルバーのジャケットを使った3rd。中身はスタジオ盤とFillmoreでのライブを収めた盤の2枚組。スタジオ盤の冒頭はCreamの代表曲としてあまりにも有名なJack Bruce/Pete Brown作の"White Room"。そして、古くは20年代ぐらいから歌われてきたブルーズ"Sitting on Top of the World"。今作ではGinger BakerはピアニストMike Taylorと組んで曲を提供しており、疾走感溢れる中間部が印象的な"Passing the Time"がその一つ。そして、Jack Bruceがアコースティックギターとチェロで、美しい旋律を奏でるBealesライクな"As You Said"。Jack Bruceがリコーダーを披露する"Pressed Rat and Warthog"はGinger Bakerの台詞のようなヴォーカルが乗る。未だにその歌詞が十分に通用してしまう、何とも皮肉な"Politician"から再びGinger Baker/Mike Taylor作の"Those were the Days"ではFelix Pappalardiのハンドベルの音が印象的。Booker T & the MG'sの"Born under the Bad Sign"を経て"Deserted Cities of the Heart"へと繋がる。ライブ盤では、遂にRobert Johnsonの名曲"Crossroad"がお目見えする(Eric ClaptonとJack BruceはPowerhoseセッションで録音経験有り)。本来、この"Crossroad"は相当長かったらしいのだが、プロデューサーでもあるFelix Pappalardiがバッサリとやって、濃密な4分間にした、という話もある。"Spoonful"と"Toad"はしっかりと16分収録されてますが…。ともあれ、まずは、その熱いステージの噂だけで、その模様はベールに包まれていたという当時の状況を考えれば、このライブ盤にどれだけ度胆を抜かされたことか。想像に難くない。 |
![]() | Cream "Goodbye" ('69) | 結局元々犬猿の仲だったGinger BakerとJack Bruceの間柄は修復されることもなく、仲介役だったEric ClaptonはCreamの活動に疲れきってしまった、という。68年秋に、Creamはフェアーウェルツアーを行い、今作は最終作として69年1月に発表された。冒頭3曲の"I'm So Glad"、"Politician"、"Sitting on Top of the World"は68年10月に行われたLAフォーラムでのライブからの録音。"Badge"は盟友George HarrisonとEric Claptonの曲。George HarrisonもL'Angelo Misterioso(ミステリアスな天使)というクレジットでリズムギターで参加。また、Creamのアルバムで初めてメロトロンがFelix Pappalardiの手によって演奏されている。このアルバムではスタジオ全4曲中3曲でメロトロンが使われている。内ジャケットを広げてみると、そこには墓石が7つ。それぞれの墓石に曲名が刻まれているが、最後の"Anyone for Tennis"のみ曲名が石に刻まれておらず、奇怪なピエロのような顔のレリーフのようなものが付けられていて、R.I.P.と書かれた帯の花輪が墓石に立てかけてある。なんなんだろう?? |
![]() | Blind Faith "Blind Faith" ('69) | 「スーパー・ジャイアンツ」の邦題の方がインパクトが強い感じがする。その邦題が示すようなメンバーが集まった。既に、デビュー当時から、本場米R&Bシンガーよりも上手くR&Bが歌える男として、The Spencer Davis Groupから出てきた16歳の少年はTrafficを解散させたばかりだった。Eric ClaptonもCreamでそのキャリアをより強力なものにした。この2人が再び何かをやろうとしたの必然であろう。それ以前はPowerhose Sessionで一度音を残している。当初、Creamを解散させたばかりのEric Claptonは元バンドメイトのGinger Bakerを呼ぶつもりはなかったらしい(これにはJack Bruceと交わした約束があって、もしも、この3人の内誰かと誰かが再び一緒にプレイするなら、必ず3人で演ろう、というもの)が、Steve Winwoodがバンドの音をより強力にするのにGinger Bakerがどうしても必要、と要請したようだ。ここにツアー途中でFamilyを離脱したRick Grechが加わり、Blind Faithが出来上がった。冒頭曲"Had to Cry Today"で、Creamサウンドを再現したかのようなEric Claptonのギターに伸びのある素晴らしい喉を披露するSteve Winwood、そして躍動感リズム隊が活躍する。そして名曲"Can't Find My Way Home"のバンジョーっぽい音から入るEric Claptonのプレイが光る。そして、Buddy Hollyのカバー"Well...All Right"を挟みEric Claptonの書いた"Presence of the Lord"にR&Bやゴスペル等への憧憬を強く感じる。現実逃避ソングで秀逸な"Sea of Joy"。最後のGinger Bakerによる"Do what You Like"の最後には4人のソロ回しをフィーチャー。ジャケットは米盤CD。内側にあの有名なヌードジャケ。あんまり意味がないように思えるけど。 |
Others
![]() | Fela & the Africa 70 with Ginger Baker "Why Black Man Dey Suffer......" ('71) | Fela KutiとThe Africa 70'sの最初期のアルバムと呼ばれる本作はGinger BakerもFela Kutiと共に共同プロデュースで関わった作品。Ginger Bakerと名手Tony Allenの両者がドラムを叩いているが、どちらがどうなっているのかはちょっと不明。その他はIgo Chico(sax)、Tonny Njoke(trumpet)、Fela Ransome Kuti(el.p)となっている。"Why Black Man Dey Suffer"(15:09)と"Ikoyi Mentality Versus Mushin mentality"(13:01)の2曲からなる本作はアフリカの苦悩を表しているかのように聴こえる。オープニングで聴けるFelaの語りのようなヴォーカルやコーラスは現在のヒップホップの源と言えるだろう。ここに一つのポップミュージックの偉大な奔流を見る思いがする。抑圧されたかのような抑えたグルーヴも、らしい。そして、その抑圧から逃げるかのようにかき鳴るホーン。上流階級が住むIkoyiと低所得層が住むMushinのメンタリティから痛烈に自国の上流階級を皮肉る歌詞をハードでありながら、どこか悲哀を感じさせるブローに乗せて奏でる。インナーには当初EMIからリリースが予定されていたのが、拒否されAfrica Songsが後にリリースした旨があるが、アフリカの人々が鎖に繋がれ、資源とともに運ばれる様を描いたジャケットでは、それも納得。因みに本作がレコーディングされたArcスタジオはGinger Bakerがラゴスに建てたスタジオ。 |
![]() | The Baker Gurvitz Army ('74) | どちらかというとThree Man Armyの発展系と捕らえるべき作品。稀代のメロディ・メイカーAdrian GurvitzのギターにPaul Gurvitzのベース、そして、バタバタなGinger Bakerのドラム。キーボードにJohn Norman Mitchell。Martyn FordとJohn Bellによるオーケストレーションをふんだんに取り入れたシンフォニック色の強いハードロック、というのがこの盤の正体。Ginger Bakerがいることによって、焦点がずれてしまう事が多いけど、間違えたらいけない。勿論"Memory Lane"のドラム・マッドネスに代表されるようにGinger Bakerをたっぷりとフィーチャーする事を忘れていないのは流石。"I Wanna Live Again"のようにオールディーズな雰囲気を纏った曲もある。バック・ヴォーカルにMadeline Bell、Rosetta Hightower(!!!)、Barry St.John、Lisa Strikeと名手揃いで失禁寸前となる。後半、LPで言うところのB面、"Mad Jack"ではGinger Bakerの語りをフィーチャーしたブルージーな色を持つ壮大なシンフォニック・ハードロックを展開する。この作品の双子の弟がThe Graeme Edge Bandの"Kick Off Your Muddy Boots"という事。 |
![]() | Hawkwind "Levitation" ('80) | スペース・ロックの雄、Hawkwindの80年の作品。Dave Brock (vo、g、synth)、Huw Lloyd-Langton(g)、Harvey Bainbridge(b、vo)、Tim Blake(keys、synth)、Ginger Baker(ds)という布陣で収録された作品。何でもHuw Lloyd-Langton夫人がGinger Bakerのマネージメントを手掛けていた関係で実現したようだ。オープニングを飾る表題曲でも緻密なアレンジが施され、飽くことがない。特に後半Tim Blakeのキーボードもヴァイオリンを思わせるサウンドを入れたりと興味深い。またインスト"World of Tiers"では従来のHawkwindが持つスペース・ロック味にGinger Bakerの細かいドラムワークが合体して出来たような曲。そして、アナログで言う所のB面から"Prelude"から始まり"Who's gonna Win the War"を経て、タイトル通りのイメージを持つ"Space Chase"、そして一転してアコースティックギターを奏でる"The Fifth Second of Forever"という美しいオープニングを持つナンバーと佳曲が目白押し。但し、このコラボレーションは今作のみ、となってしまった。 |
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