Snowy White
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Snowy White

源氏名を「白雪姫」(あ…)。1972年夏、Jim Creganが抜けたStudに加入。何一つレコーディングされずに、このバンドは解散の道へ進む。そして、Jonathan Kelly's Outsideに加入。アルバム2枚に参加。そこで、Kuma Haradaとの出会いを果たす。その後、精力的にセッションをこなしながら、Pink Floydの"In the Flesh"ツアーに参加。そしてGary Mooreの後釜としてThin Lizzyに参加。そして、いよいよ、満を持してソロキャリアへと。このソロキャリアが栄光のブリティッシュロック裏街道に相応しい名盤揃い。特に、Pink Floydマニアはこの人のキャリアを疎かにしてはいけない。絶対にいけない。

White Flames ('83)全英4位まで上がったヒット曲"Bird of Paradise"を含むアルバム。Kuma Harada(b)、Richard Bailey(ds)、Jess Bailey(key)というバンド体制のラインナップ。"Bird of Paradise"のみGodfrey Wangがストリングシンセを担当。オープニングナンバー"Open Carefully"は如何にもギタリストのアルバムらしいフュージョン系インスト。そして流れるようにラテン色がある始まりを持つ"Crossroads"へと続く。2部構成のインスト"The Journey"、後半はまるでSantanaのようなパーカッションとギターのバトルがハイライト。但し、Santana程は決して熱くならないのがSnowy Whiteの特色か?正に「白き炎」の異名に相応しいプレイかもしれない。後半は歌物が続く。"Lucky Star"、ニューウェーブっぽい"It's No Secret"、"Don't Turn Back"、"Bird of Paradise"、"Lucky I've Got You"。そして、クラシックなハードロックタイプを軸にした楽曲"The Answer"。CD化に際してブルージーなナンバー"For the Rest of My Life"のライブがボーナスに付く。全体的にこの時代にあるキーボードの音などは少し古くささを残すが、それを感じさせない曲の良さが強みか?
Snowy White ('84)"Bird of Paradise"のヒットはSnowy Whiteはおろか、マネージメント、レーベルにとっても驚き以外の何物でもなく、ただただ困惑するだけだったという。そんな中、早いペースで製作された2nd。中心となるSnowy White(vo、g)、Kuma Harada(b)、Richard Bailey(ds)は前作同様。キーボードにはGodfrey Wangが迎えられたのはそういった意味でも当然の流れだっただろう。The African People、The Breakfast Clubといったバンドを率いたWinstone Delandro(g)を始め、Niels Jannette-Walen(lyricon、oboe、English horn、ストリングアレンジ)や女性バックヴォーカルをゲストに迎える。全体的に丁寧に施されたストリングスや女性ヴォーカル等、プロダクションの良さが前作を上回る。レーベルは当然のように"Peace on Earth"や冒頭曲の"Land of Freedom"といったソウルフルなAOR色の強い曲をカットしていくが、ヒットには結びつかず。このアルバムでもSnowy Whiteは全く違う一面を披露することを忘れない。アルバム最後に収められた"When I Arise"は映画音楽のような曲。ストリングスを据えたオーケストレーションからアコースティックギターが絡む導入部から中盤で、らしいエレキギターが入る、というもの。決して大仰になることを良しとしないSnow Whiteらしいプレイが随所で聞けるアルバム。CD化の際"Someone Else"と"Muddy Fingers"がボーナストラックとして付く。
That Certain Thing ('87)前作より引続きKuma Harada(b)、Godfrey Wang(key)、Richard Bailey(ds)という、いつもの面子にMax Middleton(key)、Steve Gregory(flute、sax)が参加。オープニングから、いきなりSteve Gregoryのサックスでムーディーに始まるタイトルトラックに象徴されるようにAOR色を前面に押し出したアルバムとなった。要所要所で引き締まったギターやソロは楽しめるが、あまりにもAORに特化した今作は「らしさ」を殺してしまっている感は否めない。"Lonely Heart"や"Walking Away"なんて、インストパートやバックの音は非常に楽しめる曲ではあるんだけど…。Snowy Whiteは決してメロディアスなシンガーではないだけに、こういったAOR曲はどうにも向いているとは言えないのだけど、"Bird of Paradise"という実績を持っているだけに期待もされれば、それに答えようと律儀に多彩なAOR曲を準備するところがSnowy Whiteらしいといえば、らしい。CD化に際してボーナストラック2曲収録。うち1曲"Mai Tai"はSnowy White節全開のフュージョン系インスト曲。
Snowy White's Blues Agency "Open for Business" ('89)Babe Ruthの1stやEast of Edenで叩いていたJeff Allen(ds)と旧友Kuma Harada(b)、そしてSkip BiffertyやBell+ArcのGraham Bell(vo)とで組閣したBlues Agencyの2nd(1stは未聴)。Snowy Whiteはギターに集中して、好きなだけ心地よくブルーズロックをただひたすら弾く。Graham BellのRoger Chapmanからアクを抜いたような声は好き嫌いが出るかもしれないが、これもブリティッシュロックを背負った男ゆえの声としか言いようがない。真ん中3曲の"I Want Your Love"、"Out of My Dreams"と"Addicted Man"はGraham Bellの曲でリズムギターも担当。その他全てSnowy Whiteによる曲。プロデュースはバンド名義。タイトルトラックのインスト曲"Open for Business"から"Walking the Streets"は秀逸だ。それにしても、89年にこれだ。Gary Mooreはまだ"After the War"だからね。そう、そういうコトだと思う。
Goldtop Groups & Sessions 1974-1994 ('95)RPMから出されたコンピレーション。Snowy White名義が7曲(内未発表曲が2曲、1曲は"Judgement Day"のライブ)、Blues Agencyから2曲、Thin Lizzyから2曲、Rick Wrightのソロ"Wet Dream"から1曲にAl Stewartとのラジオ用ライブ音源(未発表)が2曲にPeter Greenとのリハーサルに録音された音源が1曲。そして、最大の目玉がPink Floyd名義の"Pigs on the Wing"(3:25)であろう。Snowy WhiteとPink Floydの出会いは76年、Pink Floydが"Animals"製作中のことである。この時、ツアーメンバーとしてのミーティングにスタジオに出向いたSnowy Whiteは、Roger Watersの勧めで"Pigs on the Wing"を録音する。その後、スタジオ盤では、同曲は2つのパートに分割され、真ん中にあったSnowy Whiteのソロがカットされる結果となった。ここに収められているのが、正しくその時のSnowy Whiteギターソロ入りテイク。このコンピの為に掘起こされPink FloydのエンジニアであるAndy Jacksonによってリミックス、マスタリングを施されたテイクである。そして、Snowy Whiteのキャリアが面白くなるのは、ここからなのだ。
Snowy White and the White Flames "No Faith Required" ('96)Snowy Whiteの1stソロのアルバムタイトルをバンド名に冠したトリオを結成。リズムセクションに迎えられたのはWalter Latupeirissa(b)とJuan van Emmerloot(ds)というオランダ出身のプレイヤー。オランダではセッションでの活動がメインだったようだ。が、このトリオ、流石にSnowy WhiteがThe White Flamesを名乗りたくなるだけの力量を持つ渾身の1枚に仕上げて来た。特筆すべきは、まずはSnowy Whiteが自身の声の間を見つけた事。元々がメロディアスなシンガーではないSnowy Whiteに必要だったのが、このアルバムで聞けるような「間」である。この「間」は明らかに今までに共演してきたPhil LynottやRoger Watersから学んだものだろう。そして、ダッチ・リズムセクションのしなやかなプレイはSnowy Whiteのプレイを引き立たせるだけでなく、素晴らしいアンサンブルを奏でる。ゲストにJohn "Rabbit" Bundrickがオルガンを中心とするプレイを3曲で参加。旧友Kuma Haradaが"Midnight Blues"でベースをプレイし、Walter Latupeirissaは"Midnight Blues"以外にも"Slave Labour"(インスト)、"Blues like a Fever"、"Canyon"(インスト)で多彩なアコギ・プレイを披露。特に"Slave Labour"で聞けるようなスパニッシュ・ギターの妙技はハイライトにもなるだろう。Juan van Emmerloot作の"Canyon"以外はSnowy White作。全8曲。
Snowy White and the White Flames "Melting" ('99)98年に"Little Wing"のタイトルで出たアルバムにボーナス・トラックとしてDavid Gilmourがリードギターを弾く"Love、Pain & Sorrow"を収録した再発盤。トライバルなドラミングから緊張感溢れるビッグなギター・サウンドが流れ出すオープニング"Discoveri"はドラマーであるJuan van Emmerloot作。前作から顕著になった、Roger WatersやPhil Lynottから影響を受けた声の使い方もサウンドにマッチしている(この手のヴォーカルは突き詰めるとやはりBob Dylanになるのかな?)。しなやかでありつつテクニカルなリズムセクションにタフなギター。ブルーズロックが単にメロウでスローなだけでなく、緊張感溢れるドキドキさせるロックだということを再認識させてくれる。時にSantanaやMark Knopflerの流れを汲む太いサウンドで聞き手を圧倒させる。Jimi Hendrixの"Little Wing"を挟み、美しいアコースティックのインスト曲"Terpisah"はWalter Latapeirissa作。大作"Like the Sun"は、Snowy Whiteの声から、全てのサウンドのマッチング、そして、タメが絶妙。本編最後を飾る表題曲のインストのスケールの大きさは絶品。ここに提示されているSnowy Whiteのブルーズロックはどこまでも刺激的だ。
Snowy White and the White Flames "Keep Out - We are Toxic" ('99)快進撃を続けるSnowy White率いるThe White Flames。今作では、よりインストルメントに焦点を置いた作風となっている。ヴォーカルナンバーも用意してあるが、その中でもギターとリズム隊のサウンドに比重がずっと重く置かれている。当然ながら、ギターが一番の中心に来るのだが、リズム隊の見せ場も要所要所に。より、奔放なプレイがされているように思える。そういう意味では、もっと即興寄りなのかもしれない。正にベーシストが書きそうな"Naharia"(この曲ではWalter Latupeirissaはアコギも担当)とトリオで書かれた"Precious"以外は全てSnowy White作によるもの。ジャケットに描かれているバイオハザード・マークにギターをあしらったアートワークは伊達ではない。ブルーズロックにどっぷり浸かった者たちだけが奏でることが出来る強力なサウンドだ。
Snowy White and the White Flames "Restless" ('02)今作では、ゲストにJohn "Rabbit" Bundrick(hammond)、Tomas White(perc.)とJody Linscott(perc.)とパーカッション奏者を補充。ラテン色を色濃く打ち出した作風で、時にSantanaのような熱さを感じさせるアルバムに仕上げてきた。Snowy Whiteがここまでギターに向き合って弾きまくる姿は中々聴くことはなかったと思う。ブルージーなバラード"The Time has Come"ではJuan van Emmerlootがコンガを担当し、Thomas Whiteがドラムを担当とパートを入替えている。そして、タイトル通り、Snowy Whiteのキャリアの中で最もホットなプレイが聴ける"Restless"はJuan van Emmerlootとの共作で、The White Flamesが持つグルーヴを堪能出来るナンバー。頭に入るRabbitのピアノプレイも秀逸。7分ものナンバーがアッという間に終わってしまう。そして同じメロディーを持つ"Restless Too"へと流れる。ここまでベクトルを外に放出させたアルバムは今作ぐらいのものだろう。それだけで、このアルバムの弾け具合が判るというもの。"Soldier of Fortune"のリズムの妙技、スパニッシュ・ギターのパート等を挿入させた中間部は傑作以外の何物でもないだろう。そして、ウドゥやピアノの音が浮遊する中、切り裂くようにギター切り込む印象的なインスト曲"New Day...Maybe"からPink Floyd的なドラマティックさを併せ持つ"Too Far Away"で締め括られる。またしても、傑作を生み出してしまったThe White Flamesである。
Snowy White & the White Flames "The Way It Is..." ('04)今までの活動を総括しながら、新しいプレゼンテーションを探った、といった趣の作品。アコースティック・ギターから入るブルーズ佳曲"No Stranger to the Blues"の前半部に驚く人もいるだろう。そして、代表曲である"Bird of Paradise"と緑神Peter Greenの"Black Magic Woman"の2曲はOrlando Sandoval(keys)の手によって更にアレンジされている。前者はキーボードを上手く配した更にムーディーな感じに仕上げ、後者はブラス・セクションを冒頭に配したアレンジとなっている。ギター・サウンドは流石に前作の"Restless"を思わせる。と思ったら、冒頭3曲の録音だけ01年。前作のために用意されたものが回されたのかもしれない。ここでは、John "Rabbit" Bundrickのハモンド、Juan van Emmerlootのドラムも聴き物。Juan van Emmerlootが参加しているThe White Flamesはこの冒頭3曲まで。残りは旧友Richard Baileyがドラムを担当。Walter Latupeirissa(b)も残りは"Angel Inside You"(Pt.1、Pt.2)、"This Time of My Life"、"Easy"のみ。残りはこちらも久しぶりのKuma Harada(b)が復帰。更にMax Middletonのピアノプレイが随所で聴ける。Part 1とPart 2に分けられた"Angel Inside You"はJames Lascellesのオルガンに端正なMax Middletonのピアノ、Ray CarlessのサックスにSnowy Whiteのエレクトリックとアコースティック・ギターの組合せが素晴らしいサウンドを産出している。Max Middletonのプレイが光っている好盤。


Thin Lizzy

Chinatown ('80)Gary Mooreを擁した"Black Rose"発表後、ツアーに出たThin LizzyはGary Mooreの失踪で混迷を極める。Phil Lynottの1stソロと平行して今作を製作。当時、Snowy WhiteもまだPink Floydでのツアーが残っていて思うように集中した作業が出来なかった、という。Thin Lizzyの代名詞とも言うべきツイン・リードで幕を開ける"We will be Strong"でのPhil Lynottの力強い言葉とヴォーカルがいかにもらしい。ある意味、前作が異色作でもあったので、今作で軌道修正を施した、とも読める、ぐらい、ハードな楽曲が多いのも特徴だろうか。Snowy Whiteは表題曲の妖しい雰囲気を持つ"Chinatown"、ハード・ブルースな"Suigar Blues"と"Having a Good Time"で作曲にも関わっている。特に"Having a Good Time"はSnowy WhiteとPhil Lynottとの共作。また今作からDarren Whartonがキーボードでゲスト扱いながら全面参加。前回のツアーで助っ人に起用したMidge Ureが"Chinatown"でバックヴォーカルで参加。今作で唯一のバラードはFiachra Trenchのストリング・アレンジを施した大仰な"Didn't I"で、エレピにTim Hinckleyが参加。癖のあるPhil Lynottのヴォーカルが囁くように響く。


Other Works

Michael Moorcock & the Deep Fix
"The New World's Fair" ('75)
Hawkwindの歌詞を手掛け、またSF作家としても有名なMichael Moorcock(g、vo)のアルバム。Graham Charnock(g、vo)、Steve Gilmore(g、vo)がThe Deep Fixのパーマネント・メンバーで、ヘルプに当然ながら、Hawkwind陣営からの協力が多い。Dave Brock(g)、Simon House(violin、mellotron)、Peter Paveli(cello)、Simon King(ds)、Alan Powell(ds)、Terry Ollis(ds)を始め、Harbert North(g)、そしてSnowy White(g)、Kuma Harada(b)といった人たちが参加している(けど、どこで誰が何をしているのかはさっぱり分からないです…)。ライナーを読むとこのThe Deep Fixというバンドは元々はJerry Corneliusの話に出てくるロックバンドのようだ。アルバム自体は色々なスタイルをごっちゃにしたような感じ。オープニングは朗読から始まり、緊張感の高まりを予感させるが、それほど、強圧的な音が出てくる訳ではない。Hawkwindのようなサイケ色が強いものでもなく、音として一番強いのはグラムかな?"You're a Hero"なんて…David Bowieのアレとそっくりだったりもするが、実はこっちの方が先である…。Michael Moorcockの本が好きな人やHawkwind人脈のアルバムを集めている人はマスト・アイテムかもしれない。
Richard Wright
"Wet Dream" ('78)
Pink Floydのキーボード奏者Richard Wrightによる1stソロ。David Gilmourのソロも同時期に出ているので、所属レーベルが、メンバーのソロアルバムでも行ける、と読んだって事なんでしょうね。Richard Wrightは、Pink Floydのツアーなどで参加したSnowy White(g)、Mel Collins(sax、flute)、セッション畑のLarry Steele(b)、Robin TrowerのバンドにいたReg Isadore(ds)を起用(この後、リズム隊は意気投合したのか、そのままPeter Greenのアルバム製作などに関わる)。キーボード・センターのアルバムなのは当然なのだが、バンド形態なので、サウンドが引き締まっており、厭きさせない。ソロだからといって、Pink Floydと全く違う方向性を持つのではなく、どちらかといえば、Pink Floyd本体にかなり近い音であるのは確か。つまりは、それこそが素のRichard Wright、という事なんだろう。"Against the Odds"、"Summer Elegy"、"Holiday"、"Pink's Song"では、Richard Wrightの温かみのある喉を披露している。作曲、プロデュースはRichard Wright本人。ジャケットは当然、あのチームだ。
Peter Green
"In the Skies" ('79)
緑神Peter Greenが70年にFleetwood Macを離脱してから初のカムバック・アルバム。兄弟の一人がA&Rマンを務めるPVKレーベルからの復帰となった。サポートに付いたのは、"Slabo Day"ではリードも弾くSnowy White(その他の曲ではリズムギター担当)、元CamelのPeter Bardens(key)、Snowy Whiteとの活動が多いKuma Harada(key)、ドラムにはReg IsadoreとGodfrey Macleanの2人を起用。Lennox Langtonがパーカッション。非常に落ち着いたレイドバックしたブルーズが並ぶ。全てオリジナルで、Snowy Whiteは4曲で関わっている。ヴォーカル曲は声質のせいかEric Claptonのように聴こえる場面も多い。このアルバムが数ヶ月に渡り英国チャートのトップ30に入っていたことを考えると、どれだけ、待ち望まれていたアルバムかよく判る。後にSplinter Groupでこのアルバムから"Tribal Dance"が録音されている。繊細でリラックスしたギターの向こうに緑神と呼ばれる男のヒントがある。
Philip Lynott
"Solo in Soho" ('80)
Thin Lizzyのヴォーカリスト、詩人としても、多くの信者を持つPhilip Lynottの1stソロ。ソロアルバムらしいヴァラエティに富んだ内容になっており、また参加ミュージシャンの多さからもその人脈の広さ、懐の深さみたいなのを感じることも出来る。Snowy WhiteはJimmy BainとPhilip Lynottとの共作曲でThin Lizzyのアルバムに収録されていてもおかしくない"Dear Miss Lonely Hearts"(先行シングルでもあった)をThin Lizzyのメンバーをそのまま起用。レゲエリズムを持つアルバム表題曲で参加している。今作の特徴は、Philip Lynottがmini-moogをメインにシンセを多用し、ストレートアヘッドなハードロックだけでなく、多彩な曲に挑戦している。その中でシンセが一番鳴っているのは多分"Yellow Pearl"と題された曲ではMidge Ure(Ultravox)がBilly Currieと共にシンセで参加。当時英国でThin Lizzyの弟分であったCloverのメンバーとして活動していたHuey Lewis(後にThe Newsを率いる)がハーモニカで2曲で参加。その中の1曲"Ode to a Black Man"のような自身のルーツを投影させるかのような社会的なナンバーが持つグルーヴはThin Lizzyにも共通するものだろう。そして、当時の英国シーンを見事に描ききったアルバム最後のラップ調で始まる"Talk in 79"ではMark Nauseef(ds)とのデュオで締め括っている。
Nic Potter
"New Europe - Rainbow Colours" ('92)
Van Der Graaf Generatorのベーシストの5thソロ。このアルバムの目玉は何と言っても2曲目に収められた"New Europe"と題された47分にも及ぶオーケストラ・ピース。この曲ではDavid Jackson(flutes&horns)とGuy Evans(ds)と最も信頼の置けるメンバーを配して、Nic Potterの美意識を音にしたかのような至福の時間が過ごせる。キーボードを中心にしてはいるが、サウンドも軽さもなく、安易に作られていないのが素晴らしい。Snowy Whiteは冒頭の"Flowing River"で参加。尺八のようなフルートの音から始まる、少し東洋嗜好を感じさせる小品。"Bird of Paradise"でのギタープレイを思い起こさせるSnowy Whiteらしいギターが聞ける。その他にはMolly Duncan(sax)、Duncan Browne(ac. g)、John Ellis(g)が参加。




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